「お墓を継いでくれる子どもがいない」「遠方に住んでいて、お墓の管理が難しい」…。近年、このようなお悩みを抱える方が増えています。大切なお墓を無縁仏にしたくない、でも、家族に負担はかけたくない。そんな複雑な想いの中で、新しい供養の形として「永代供養」を選ぶ方が増えているのをご存知でしょうか。
はじめまして。終活アドバイザーの山田恵子と申します。葬儀社での勤務経験を経て、現在は終活カウンセラーとして、お墓や供養に関するご相談を数多くお受けしています。長年この仕事に携わる中で、供養の形が時代と共に大きく変化していることを実感しています。
この記事では、永代供養について考え始めたばかりの方に向けて、
などを、専門用語を避けながら、やさしく解説していきます。この記事を読み終える頃には、漠然としていた永代供養への理解が深まり、ご自身やご家族にとって最善の選択をするための一歩を踏み出せるはずです。どうぞ、最後までお付き合いくださいね。
最近よく耳にする「永代供養」という言葉ですが、具体的にどのようなものかご存知でしょうか。まずは、その基本的な意味と、なぜ今これほどまでに注目されているのか、その背景から見ていきましょう。
永代供養の需要が高まっている背景には、私たちの社会構造の変化が大きく関係しています。少子高齢化や核家族化が進み、「お墓を継ぐ人がいない」という問題は、もはや特別なことではなくなりました。
実際に、2024年に行われたある調査では、お墓の購入を検討している人のうち、従来型の「一般墓」を希望する人が49.0%だったのに対し、「永代供養型のお墓」を希望する人は49.7%と、その需要がほぼ二分化しているという結果も出ています。このことからも、永代供養が現代の私たちにとって、いかに身近な選択肢になっているかがお分かりいただけるかと思います。goenn おまいりプラットフォームでも永代供養については詳しく紹介されています。
永代供養とは、ご遺族に代わって霊園やお寺がご遺骨を永代にわたって管理・供養してくれる仕組みのことです。お墓の承継者がいなくても、霊園やお寺が責任をもって供養を続けてくれるため、「無縁仏になる心配がない」という大きな安心感が得られます。
ただし、ここで一つ注意していただきたい点があります。それは、「永代」という言葉が「永遠」を意味するわけではないということです。多くの永代供養では、契約によって個別に安置される期間が定められており、その期間を過ぎると他のご遺骨と一緒に合祀(ごうし)されるのが一般的です。この期間については後ほど詳しく解説しますが、契約前に必ず確認が必要な重要なポイントです。
永代供養を検討し始めると、必ずと言っていいほど耳にするのが「合祀(ごうし)」と「個別安置」という言葉です。この二つは、ご遺骨の埋葬方法における大きな違いであり、費用やお参りの仕方にも関わってくるため、それぞれの特徴をしっかり理解しておくことが大切です。
どちらが良い・悪いということではなく、ご自身やご家族がどのような供養を望むかによって、最適な選択は変わってきます。それぞれのメリット・デメリットを比較してみましょう。
| 項目 | 合祀 | 個別安置 |
|---|---|---|
| 費用 | 安い(5万円~30万円程度) | 高め(20万円~150万円程度) |
| ご遺骨の扱い | 他の方のご遺骨と一緒になる | 一定期間は個別に安置される |
| お参りの対象 | 共同の慰霊碑や樹木など | 個別の墓石や納骨壇、プレートなど |
| 後からの変更 | 不可(一度合祀すると取り出せない) | 期間内であれば改葬(お引越し)が可能な場合も |
| 向いている方 | ・費用をできるだけ抑えたい方 ・承継者がいない方 ・他の方と一緒でも抵抗がない方 | ・しばらくは個別で供養したい方 ・お参りの対象が欲しい方 ・将来的に合祀されることに納得できる方 |
ここで少し補足ですが、「合祀」と似た言葉に「合葬(がっそう)」があります。どちらも「一緒に埋葬する」という意味合いですが、厳密には違いがあります。「合祀」はご遺骨を骨壺から出して埋葬するため他のご遺骨と混ざりますが、「合葬」は骨壺のまま埋葬するため、他のご遺骨と混ざることはありません。ただ、現在では同じような意味で使われることも多くなっています。
永代供養と一言で言っても、その形は様々です。ここでは、代表的な5つの種類をご紹介します。それぞれの特徴を知ることで、より具体的にご自身に合ったお墓のイメージが湧いてくるでしょう。
慰霊碑や供養塔などのシンボルの下に、多くの方のご遺骨を一緒に埋葬するタイプのお墓です。最初から合祀されるため、費用を最も安く抑えることができます。「お墓にお金をかけたくない」「シンプルで良い」と考える方に選ばれています。
一つの大きなお墓の中に、個別の納骨スペースが設けられているタイプです。一定期間は骨壺のまま個別に安置され、期間が過ぎると合祀されます。「合祀には少し抵抗があるけれど、費用は抑えたい」という方に適しています。
見た目は一般のお墓と変わりませんが、永代供養が付いているタイプです。個人や夫婦、家族単位で利用でき、契約期間中は自分たちのお墓としてお参りできます。期間終了後は、霊園・お寺が責任をもって永代供養(合祀)してくれます。「お墓という形は残したい、でも将来の管理は任せたい」というニーズに応える形です。
寺院や霊園の建物内に設けられた、ご遺骨を納めるための施設です。近年非常に人気が高まっており、そのスタイルも多様化しています。
駅からのアクセスが良い場所にあることが多く、天候や暑さ寒さを気にせず快適にお参りできるのが大きなメリットです。
墓石の代わりに、樹木や草花をシンボルとしてご遺骨を埋葬するお墓です。「自然に還りたい」という想いを持つ方に選ばれ、人気が急上昇しています。一本のシンボルツリーの周りに合祀されるタイプや、区画ごとに個別の木々を植えるタイプなどがあります。
永代供養を選ぶ上で、費用は最も気になるポイントの一つですよね。種類によって大きく異なるため、目安を把握しておきましょう。
| 種類 | 費用相場 |
|---|---|
| 合祀墓 | 5万円 ~ 30万円程度 |
| 集合墓 | 20万円 ~ 60万円程度 |
| 個別墓 | 50万円 ~ 150万円程度 |
| 納骨堂 | 10万円 ~ 200万円程度 |
| 樹木葬 | 5万円 ~ 150万円程度 |
※あくまで目安であり、立地や施設、プラン内容によって費用は変動します。
契約時に提示される金額には、何が含まれているのかをしっかり確認することが大切です。後から追加費用が発生して慌てることがないよう、以下の項目をチェックしましょう。
「永代供養」という言葉から、「永遠に個別のまま供養してくれる」と誤解されることがありますが、多くの場合、個別で安置される期間には限りがあります。
個別安置の期間は、霊園やお寺によって様々ですが、13回忌、17回忌、33回忌、50回忌といった、仏式の年忌法要の節目を区切りとすることが一般的です。中には、5年や10年といった短い期間を設定している施設もあります。この期間が過ぎると、ご遺骨は合祀墓へ移され、他の方々と一緒に永代にわたって供養されることになります。
特に「33回忌」を区切りとすることが多いのには、仏教の考え方が関係しています。仏教では、亡くなってから33年経つと、どんな人でも罪が許され、極楽浄土へ行けるとされています。この33回忌をもって「弔い上げ(とむらいあげ)」とし、個別の供養を終えるという考え方が、古くからの慣習として根付いているのです。そのため、永代供養の期間も、この弔い上げに合わせることが多いのですね。
永代供養は、一度契約すると簡単には変更できない、とても大切な選択です。後悔しないために、契約前には以下の5つのポイントを必ずチェックしてください。
今回は、永代供養の基礎知識から、合祀と個別の違い、そして後悔しないための選び方のポイントまで、幅広く解説してまいりました。
この記事の要点を振り返ってみましょう。
お墓の形に「これが正解」というものはありません。大切なのは、ご自身が何を大切にしたいのか、そしてご家族がどのように故人を偲びたいのかを考え、皆が心から納得できる選択をすることです。永代供養は、そのための有力な選択肢の一つです。この記事が、あなたの終活の第一歩として、少しでもお役に立てたなら幸いです。
最終更新日 2026年2月5日 by ixsrvn
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